抹茶と煎茶の違いはここ!

食生活

みなさま、抹茶や抹茶風味のお菓子はお好きですか?

抹茶(薄茶)

 

 抹茶ティラミス

 

抹茶の鮮やかな緑色と、深い甘い香りは、ほっとするような落ち着くような、なんとも言えない美味しさを感じて私は大好きです。

近ごろはスーパーマーケットのお菓子材料のコーナーや、茶葉のコーナーに抹茶が置いてあることも増え、茶道をされない人も抹茶を手軽に買い求められるようになりました。

ところで、抹茶と煎茶、見た目は似ているのですがその違いはご存じでしょうか?

以前、抹茶が手元にない時に、煎茶の粉末茶を使ってお菓子を作ったことがあるのですが、やっぱり抹茶の香りにならないのですね。違うものを使っているのだから当たり前と言えば当たり前なのですが。

では、何が香りの違いになるのかとても気になっていましたので、今日はその違いを調べてみました!

 

抹茶と煎茶の違いはここ!

抹茶も緑茶も、同じ「茶の木」の葉から作る

抹茶も煎茶も同じ「茶の木」の葉っぱを加工して作ります。茶の木とは、ツバキ科ツバキ属の常緑樹で、原産地はインド、ベトナム、中国西南部とされるが詳細は不明。

 

植物園の茶の木(展示用)

 

茶の木の葉っぱ

 

栽培方法が違う:被覆栽培

太陽がさんさんと降り注ぐ茶畑

煎茶の茶葉は日光を浴びて育ちますが、抹茶の原料となる碾茶は4月上旬~5月にかけて、黒い覆いをかけて育ちます。この黒い覆いは寒冷紗といい、この覆いをかけることで日光を遮断させるのですが、これを被覆栽培といいます。

茶葉は日光を浴びると、内部のアミノ酸の一種のテアニンをカテキンに変化させます。旨味成分であるテアニンが減り、渋味・苦味成分のカテキンが増えます。

被覆栽培で日光を遮ると、テアニンがカテキンになるのを防いで、旨味の強いお茶を作ることができるのです。

ちなみに、このテアニンは、脳神経細胞の若返りや脳機能の活性化に効果があるといわれています。積極的に摂っていきたいですね。

また、カテキンは、抗酸化作用、抗ウィルス作用、虫歯・口臭予防などに効果があるといわれています。

ちなみに、玉露やかぶせ茶も碾茶と同じように被覆栽培を行いますが、その違いを見てみましょう。

 

碾茶と玉露などの違い:被覆期間の長さ

かぶせ茶:摘採前1週間~10日程度

玉露:20日程度

碾茶:20~30日程度

尚、日数は地域によって異なるためあくまで目安です。

 

加工方法が違う:「揉み」工程の有無

日本茶は一般的に、お茶の葉を採取したあとに酸化を止めるために高温で蒸す工程があるのですが、蒸した後に茶葉を乾燥させながら揉んで形を整える工程があります。

煎茶では、粗揉、揉捻、中捻、精捻と、段階に分けた揉み工程があります。

それによって細長い見慣れた形になるのです。お茶を淹れるとき、お湯で蒸らされて葉っぱが開いていきますよね。これは意外と大きな葉っぱなんだと子供のころに驚いた記憶があります。一方、抹茶の原料の碾茶はその揉み工程がありません。

抹茶の原料の碾茶。揉まれていない状態で乾燥されます。

碾茶は、乾燥後、一定の大きさに砕かれ、石臼や機械で細かく粉末状に加工されていきます。

まとめ:いろいろ違いあり。成分ではテアニンが豊富なのが抹茶

抹茶と煎茶では、茶の木の栽培方法や摘み取られた茶葉の加工方法も違い、日光をたくさん浴びたかどうかによって含まれるアミノ酸にも大きく違いが出ていることが分かりました。

日光を浴びることでテアニンがカテキンになるのが煎茶。一方、日光を遮ることでテアニンが豊富なままお茶になったのが抹茶です。

また、加工の面での違いは、高温で蒸した後に揉みの工程があるのが煎茶、茶葉の形のまま乾燥させるのが抹茶でした。

煎茶の渋みは疲れた時にさわやかな気持ちになる効果も感じますし、抹茶の深みのある香りは癒しになると思いますし、それぞれのお好みのタイミングで普段の生活に取り入れていけたらいいですね。

 

おまけ:アミノ酸「テアニン」の効果

脳神経細胞の若返りや脳機能の活性化に効果があるといわれていますと上で書きましたが、

このテアニンは、抹茶以外でも摂取することができます。

テアニンは普通の緑茶でも取ることができますが、特に茎の部分に多く含まれているので、茎茶を飲むのがおすすめです。

また、玉露にもテアニンが多いことが知られています。

テアニンは、もともとお茶の根でつくられて葉の方に移っていくのですが、光が当たると渋味成分であるカテキンに変化します。ですから、光が当たりにくい茎の部分や、被覆栽培されている玉露は、テアニンの含有量が多いのです。

お茶のほんのりとした甘みはテアニンによるもので、「甘みがあっておいしいお茶」とはテアニンを多く含むお茶のことだと言ってもいいでしょう。

 

『50歳からでも、頭はよくなる!』林成之・著 P96より引用

お茶を上手に活用して、美味しく飲んで(食べて)健康になれたらうれしいですね!

 

 

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