こんにちは!
私の住む地方ではすっかり暑くなりました。梅雨はどこへやら。暑くなると言えば蚊が出没する季節でもあります。今日はそんなテーマについて記事にしました。
キャンプやバーベキューの時に、蚊取り線香を使う人は今でも多いのではないでしょうか。ホームセンターでは夏の時期にはよく見かけます。
いきなり余談ですが、あれ、買ってきたときにそのまますぐには使えないのをご存知ですか?見てみるとすぐにわかると思うのですが、ぐるぐる巻きのものが2つくっついているのです。
優しくほぐして2つに分けてから使ってくださいね。
今日はその蚊取り線香の秘密についてお知らせします。
秘密!蚊取り線香の煙には効果はなかった?!
蚊取り線香とは「線香」と名のつくことから、なんとなく煙が効くのではないかと思ってしまいがちですが、実はその煙には有効成分は入っていないのです。
ではどこから出ているのでしょう?
有効成分は火元の6㍉手前から出ている
有効成分は火元の手前6㎜のところから出ています。
煙の出ている所は700~800度で燃えていますが、有効成分(ピレスロイド)は250度で気体になって広がり蚊を退治するのです。なんと、火元から出ているのではなかったのです。
目に見える煙に意識が向きがちですが、見えている所ばかりにポイントがあるのではないのですね。
香りには効果はない?!
現在、殺虫成分は合成されたものが使用されています。それは無臭なため「効く気がしない」という要望があり、以前殺虫成分として使われていた「除虫菊」(後述)が混ぜられています。なんと、あの香りは蚊取り気分を盛り上げるためのものだったのですね!
蚊取り線香の歴史
ヨーロッパ原産の除虫菊
蚊遣り火とは
蚊遣り火とは、よもぎの葉、かやの木、杉や松の青葉などを火にくべて、燻した煙で蚊を追い払う、大正時代初期までの生活習慣である。季語などで蚊遣り火と書く。
wikipedia 「蚊遣り火」より抜粋
季語になっているくらいに、日常の風景として木などを燻して蚊を追い払うという文化はあったのですね。
除虫菊の栽培
赤色除虫菊
1886年に日本に「除虫菊(じょちゅうぎく)」が渡来してきます。海外に輸出するために和歌山県で栽培が始まりました。海外では家畜小屋でノミなどの駆除のために使われていました。
一方日本にも蚊がいっぱいいるということで蚊の駆除に使えるのではないかと、蚊遣り火を応用し除虫菊の粉末をおがくずに混ぜて燃やす方法を考えますが、夏に季節外れの「火鉢」が必要であったことで普及するまでにはいたりませんでした。
そこで次に、線香に除虫菊を加えて棒状にしたものが考案されました。1890年に世界初の棒状の蚊取り線香「金鳥香」が作られました。あの「キンチョー」です!
ちなみに「金鳥」を販売している会社の正式名称は「大日本除虫菊株式会社」といいます。除虫菊の名称が入っていますね!
棒状から渦巻へ
棒状の蚊取り線香は燃焼時間が短く(20㎝で40分)、使い勝手が悪かったために、1895年に渦巻型が考案されました。大日本除虫菊の製品では渦巻きを解きほぐすと、全長は75cmになります。これは約7時間燃焼する、つまり1晩もつということになります。
人工合成へ
除虫菊の渦巻き型の蚊取り線香は有効成分は6種類あり、すべて判明したのが1945年。
その後、1960年ごろに、もっとも強力に効き人体に害の少ない成分を真似た人工物質を木の粉に練りこんで蚊取り線香が作られるようになりました。
しかし、上でも書きましたが、その物質は匂わないため「効く気がしない」という意見を受けて除虫菊をまぜることにしたのでした。あの香りは除虫菊の香りだったのですね。
まとめ
点火し煙とともに有効成分が漂っていたと思っていましたがそうではなく、火の手前6㎜地点に秘密があった、というのはちょっと驚きました。目で見えるものが全てではないという言葉が心に浮かびました。
蚊取り線香の歴史では、よりよいものを作ろうという職人気質のような思いも感じました。一晩ずっと蚊に悩まされずにすむために渦巻を考案するって、愛だなぁと思うのです。
私は蚊取り線香は野外でのバーベキューなどの時しか使いませんが、あの香りはなんとも懐かしさを感じられるもので好きです。今年の春はバーベキューができませんでしたが、秋はどうでしょう。できたらいいなぁと思います。その時は蚊取り線香をつかいますよ!
それでは、また!
コメント
うちは蚊取り線香派。
藪蚊がすごいんで、庭の勝手口のところでいつも焚いてます(笑)
純一郎さん、日常的にお使いでしたか!ちょっとしか開けていないのにいつの間にか入り込んできますものね。臼井家では蚊取り線香のいい香りがしていそうです^^